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ホワイトゴールドはなぜ白い?|貴金属の知識 [ジュエリーの豆知識]

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白色(銀色)に輝くジュエリーと言えば、プラチナやシルバー、そして最近ではホワイトゴールドも人気があります。しかし、純金のインゴット(延べ棒)は金色です。金なのにホワイトというのは、よく考えると不思議ではありませんか。

1.金合金のカラーバリエーション

ホワイトゴールドだけでなく、イエローゴールドやピンクゴールドなど、金の色のバリエーションは豊富です。それは、ジュエリーに使われる金が、2つ以上の金属元素を融かしたりして混ぜ合わせた「合金」であることによります。合金のメリットは、単一な金属ではえられないすぐれた性質を作り出せるということで、色もそういった性質の1つです。

純金がK24ですから、K18は18/24=75%=750‰が金(Au)で、残りは1種類以上の他の金属となります。加えた金属を割金と呼びますが、この割金によって色のバリエーションが生まれるのです。

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金の割金に使われるのは主に銀と銅で、銀が多くなれば緑色が強くなり、銅が多くなれば赤色が強くなります。ピンクゴールド(ヨーロッパなどではローズゴールドと呼ぶこともあります)とホワイトゴールドは少し特殊で、色を白く(薄く)するために、パラジウムなどの白色系の割金を加えます。 

なお、ジュエリーに用いられるプラチナやシルバーも合金がほとんどですが、金ほどの色のバリエーションはありません。最近はピンクシルバーやイエローシルバーをたまにみかけますが、まだまだ一般的ではないでしょう。

2.ホワイトゴールドの本当の色は?

ホワイトゴールドは白色系の割金によって純金の金色から白色系に変化します。「白色系」と表現されるように純白ではなく、割金の種類によって灰色がかっていたり黄みが少し残っていたりしますが、あくまで白色と感じられる範囲です。(日本ジュエリー協会はホワイトゴールドの色の限度を定めて業界に提示しています。)

しかし、日本で流通しているホワイトゴールドのほとんどはこのような色ではなく、白色度がより高いはずです。割金を独自に工夫してより白くしているケースもありますが、ほとんどはロジウムめっきによるものです。ロジウムはプラチナ族ですが、プラチナより反射率が高く白く感じます。ちなみに日本では、プラチナもロジウムめっきが施されているケースが多いです。

黄色の強いゴールドにロジウムめっきを施してホワイトゴールドと称するのは不当表示ですが、定めた範囲の白色系の金合金にロジウムめっきを施したものをホワイトゴールドと称することは日本ジュエリー協会も認めています。

3.ロジウムめっきの役割

めっきには「安い素材の本体を高く見せるため」という悪いイメージが強いかもしれません。しかし、ホワイトゴールドやプラチナのロジウムめっきは、「今でも充分価値のあるものをよりよくするため」に施すと言えるでしょう。

ホワイトゴールドやプラチナは、純白ではありませんが白色系です。それをさらに白くしたい場合、割金で調節するしかないのですが、ジュエリーに求められる他の性質(硬さ、加工性など)やコストとのバランスを考える必要がある難しい作業になります。めっきは、割金の制約にとらわれない、その結果コスト面でもメリットのある1つの解決方法なのです。また、ロジウムは硬いので傷防止にもなります(と言っても、傷がつかないわけではありません)。

ちなみに、シルバーにもロジウムめっきを施すことがあります。シルバーは白さ、反射率ともにあらゆる金属の中で最も高いので、より白くするためではありません。シルバーは大気中の水分や硫化水素等と反応して、表面に硫化銀ができて黒くなるので、そのような硫化を防止するため、また傷防止のためにロジウムめっきします。

ただし、めっきはどうしても剥がれるものです。ロジウムめっきは比較的剥がれにくいものですが、愛用して使い込めば込むほど剥がれるリスクは高くなります。本来のホワイトゴールドの色が出てくると、対比の問題でホワイトゴールドをより黄色や灰色に感じ、まだらが気になるかもしれません。再めっきをかければ元に戻りますが、めっきに弱い宝石が留まっている場合など、再めっきできない場合もあります。

このようにロジウムを含むめっきにはメリットもデメリットもあり、一概に悪いとは言いきれません。使う人のポリシーや生活スタイルによって必要か不要かを判断すべき事柄です。そのため、最近ではきちんと「めっき」であることを表示するケースが増えてきました(表記に「ロジウムめっき」ではなく「ロジウムコーティング」が使われることがあります)。

ロジウムめっきを「ロジウムコーティング」と表記することは日本ジュエリー協会も認めていますが、「ロジウム仕上げ」や「プラチナ仕上げ」、「プラチナコーティング」と表記することは不適切としています(プラチナめっきをプラチナコーティングと表記することはOK) 。事実誤認に繋がりそうな表現をしてはいけないということです。

ジュエリーの販売では、購入者に比べ販売者が圧倒的に情報を持っているケースがほとんどです。本来なら販売者が積極的に情報を公開しなければなりませんが、残念ながらそういう意識が低い販売者もいます。しかし、誤認させる傾向はある程度決まっているので、基本的な知識を持っていれば「怪しい」と感じることが出来るはずです。さらに基本的な知識を得ることで、ジュエリーの世界の奥深さ、価格以外の本当の価値を感じることができれば、自信をもってジュエリーを装えるのではないでしょうか。

次回からは、前回・今回の基礎知識をふまえた上でビジネスシーンで貴金属ジュエリーをどのように活用するかを考えてみたいと思います。 

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