テーラード+カットソー|ビジネスシーンのジュエリーコーディネート [ビジネスシーンでのジュエリー]
ビジネスシーンにおけるファッションとは、ズバリ「その仕事にふさわしいセンスがあることを表現する手段」ではないでしょうか。そのため、個人の好みや着心地のよさを重視するプライベートのファッションと同じ感覚でビジネスシーンのファッションを決めていては、この人に仕事を任せて大丈夫だろうかと要らぬ不安を周りに抱かせかねません。
ジュエリーコーディネーターとして、またかつて一般企業で現場リーダーとして働いた経験のあるひとりの女性として、ビジネスシーンにふさわしいファッションコーディネートと、さらに一歩先んじるためのジュエリーのあわせ方を、数回にわたって考えています。今回は、濃紺やチャコールグレーのテーラードジャケットにラウンドネックのインナーをあわせる場合のジュエリーコーディネートを考えてみます。
2.ラウンドネックのインナーでコーディネートする
ラウンドネックは襟がないのでVゾーンの問題点(2)の「間延びした感じ」はなくなってすっきりします。スーツにラウンドネックを合わせるというコーディネートが登場したころは、このすっきりした感じが新鮮で、その潔さが女性だけに許される格好良さのように思われました。しかし、シンプルゆえに非常に難易度が高いと言えます。
ラウンドネックのカットソーを着る場合、一番多いジュエリーコーディネートはプチ・ネックレス(ダイヤモンドなどの宝石がワンポイントついたネックレス)をあわせるものでしょう。しかし、このコーディネートは次の2つの理由からリーダークラスの女性にふさわしいものとは思えません。
プチ・ネックレスと並んで多いコーディネートは、ロングネックレスをあわせるものでしょうか。雑誌等でよく見かけますが、実際のビジネスシーンでは考慮すべき点が2つあります。
1つめは、前ボタンを外すことを前提としている点です。前ボタンを外さないと、せっかくのネックレスがほとんど見えません。しかし、男性の場合、着席時以外はスーツの前ボタンを留める(全部留めるわけではなく、留め方にもルールがあります)ことが基本なので、そのルールを女性に当てはめて考える人にあなたが「失礼な人だ」と評価される可能性があります(そもそも、女性は着席時でもボタンを留めるべきという人もいます)。
2つめは、仕事をする上で邪魔になる可能性が高いという点です。ネックレスの長さはバランスを考慮してみぞおち程度のケースが多いですが、この長さだと着席したときに机に当たります。リーダーの場合、会議やデスクワークが多いので、これはかなり大きなマイナスポイントです。リーダーにとって最も大切なことは、自分を格好よく見せることではなく、仕事をスムーズにやり遂げることなのですから。
では、リーダークラスの女性にふさわしいラウンドネックのカットソーのジュエリーコーディネートはどのようなものでしょうか。そもそもカットソーはビジネスシーンの中でも少しラフなシーンにこそふさわしい素材なので、メンバーとの社内ミーティングで1日を過ごすことを想定してコーディネートを考えてみたいと思います。
まず、首元が寂しいのでそれを埋める必要があります。カットソーという少しラフな素材に欠ける「格」を補うためにも、プチ・ネックレスよりは少し存在感のあるものが必要です。しかし、シャツのときに役立ったオメガネックレスのような短めで存在感のあるタイプはおそらく合わないでしょう。ラウンドネックとネックレスの丸いラインの繰り返しは変化に乏しく、リーダーとしては印象が柔らかすぎると思います。もし首にうっすらとでもしわがあればそれを強調してしまうので、なおさらです。
おすすめは、V字のシャープなラインが出来る、少しだけ長めのペンダントタイプのネックレスです。V字ラインを印象づけるため、チェーンにはそこそこの幅が必要ですが、ペンダント・ヘッドは大きくなりすぎないようにします。ペンダント・ヘッドが大きいとバランスが悪く、仕事をする上で機能的ではありません。V字のシャープさは、メンバーを引っ張るリーダーにふさわしいものでしょう。しかし、これだけではまだリーダーの存在感という点で、少し物足りなさが残ります。 重心が少し下がってしまったのも問題です。
そこで襟にタック・ピン・タイプのブローチ(いわゆるピンズに似た形状でキャッチが薄いもの)を加えます。インナーのボリュームがないので、大きなブローチではバランスが悪くなるからです。1日中社内にいるのであれば、ペンダント・ヘッドやブローチの形状に少し遊びがあってもよいでしょう。これで、(1)~(3)の問題はほぼ解決できましたが、さらにきちんとした感じと変化を添えるならば、シャツと同じようにスカーフかストールを加えます。これならば、顧客とのちょっとした打ち合わせなどでも使えるでしょう。
以上、ラウンドネックのカットソーにあわせるジュエリーコーディネートを考えてみました。カットソーはくだけた印象になりやすいので、ジュエリーで格を上げるコーディネートは欠かせません。リーダーにふさわしいコーディネートとしておすすめなのは、少し長めのペンダントタイプのネックレスとタック・ピン・タイプのブローチをあわせるコーディネートです。少し幅のあるチェーンでシャープなV字ラインを作り、タック・ピンで下がった重心を上げます。シーンによっては、ペンダント・ヘッドやブローチ(タック・ピン)のデザインに遊びを少し入れてもよいでしょう。さらに、イヤリングやリングをあわせますが、時計やネイルを含めたコーディネートの考え方は、前回のコラムをご参照ください。
男性のスーツには長い歴史から生まれたルールがあります。現代では気にしない方も増えてきてはいますが、ポジションが高くなるほどルールを大切にする方が多いのが現実でしょう。そのような方たちは、女性のスーツも男性のスーツに準じて判断します。カットソーは手入れが楽で動きやすいものですが、リーダーならば本当にそのシーンにカットソーがふさわしいかはきちんと判断する必要があります。カットソーを着るならば、ジュエリーで格を上げたビジネスシーンにふさわしいコーディネートをおすすめします。
次回は、テーラードジャケットにおすすめのインナーとジュエリーコーディネートを考えてみたいと思います。
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