今もとめられるジュエリーとは [ビジネスシーンでのジュエリー]
みなさんは、ジュエリーがどのように製作されるかご存知でしょうか。ジュエリーの製作は長く伝統的な方法で行われていましたが、近年は新しい技術が次々と開発されて変わりつつあります。現在、ジュエリーの製作方法は、伝統的な手作り法と、近年発達したロスト・ワックス・キャスティング法の2つが主になっています。今回は、ジュエリーの2つの製作方法と、それが変わることによってお客様にどのようなメリットがもたらされるのか、ジュエリー製作者・ジュエリーコーディネータとして、またかつて一般企業で現場リーダーとして働いた経験のあるひとりの女性として、考えてみたいと思います。
1.手作り法
貴金属を叩いたり、延ばしたり、切ったり、くっ付けたりなどして形を作るというものです。長い間、この方法がジュエリー製作の基本でした。例えば、平打ちと呼ばれるリングは、貴金属を板状にし、板を曲げて切り口がぴったりとあわさるようにすりあわせ、切り口の近くにロウと呼ばれる合金を置いて、火を当てます。ロウは貴金属より溶ける温度が低いので、ロウだけが溶けて切り口に流れ、切り口が接合します。そして、やすりなどを使って形を整え、磨いて完成となります。
道具を使ってはいますが、金属を曲げたり叩いたりしますので、体力(特に腕力)が必要な作業になります。そのため、ジュエリーの製作者はずっと圧倒的に男性が多かったのです。
2.ロスト・ワックス・キャスティング法
この方法では、貴金属ではなくワックス(WAX)をジュエリーの形に加工します。 ワックスはろうの一種なので、貴金属と比べ加工が容易というメリットがあります。ワックスと同じ成分のろうそくを思い浮かべてください。ろうそくは、爪でも削ることができます。ワックスの加工に使用する道具については、別コラム「ANOTHER YOU のジュエリーができるまで」の「4.ワックスの修正」でご紹介しています。
ワックスをジュエリーの形にしたら、それを貴金属に置き換えなければなりません。この方法はその名の通り、ワックスの周囲を石膏で固めた上でロストさせ(溶かして蒸発させ)て型をつくり、キャスティングする(鋳造:型に溶けた金属を流し込み、冷やして形を作る)ものです。
もう少し詳しく右図とあわせて手順を記載します。
1.ジュエリーの形をワックスで作成する
2.ワックスに湯道(金属が流れる道)をつけて
ゴム台と呼ばれる台に立てる
3.2の周りに石膏を流し込んで固める
4.ゴム台を外し、石膏を熱してワックスを溶かす
(図の緑の部分は空洞となる)
5.空洞に溶かした貴金属を流し込む
6.石膏を壊して固まった貴金属を取り出す
この方法は戦後アメリカで発達し、日本では昭和40年以降に隆盛しました。
3.製法が変わることのメリット
現代では、一般に流通しているジュエリーの多くがロスト・ワックス・キャスティング法で作られています。その理由は、手作り法に比べたデザイン自由度の高さと、量産による低コスト化であると言われています。ワックスは立体的でボリュームのあるデザイン、曲線的なデザインの製品を作りやすいので、デザインの自由度が一気に高まりました、最近男性に人気のシルバーアクセサリーは、ワックスだからできるデザインといえるでしょう。また同じ形のワックスをいくつも作ることができるゴム型という別の技術とあわせれば、簡単な手間で同じ形の製品を量産できるようになり、1つ1つ手作りするよりはコストが抑えられます。
当ショップの facebook ページでは、当ショップ関連サイトの最新情報(ビジネスシーンでのジュエリーにまつわるお話し)やお得なクーポンなどの情報をいち早くお届けいたします。是非、フォロー(いいね!)してください。 ⇒ 当ショップの facebook ページをフォロー(いいね!)する
コメント 0