ビジネスシーンにふさわしいV字タイプの指輪 [ビジネスシーンでのジュエリー]
今回は、ジュエリーコーディネーター・製作者の2つの立場から考えた、V字タイプの指輪(V字リング)の購入に際しチェックすべきこと、ビジネスシーンにふさわしいV字リングとはどのようなものか、についてお話したいと思います。
V字リングは、印象がシャープすぎると敬遠される方もいらっしゃいます。プライベートではシャープすぎるV字リングも、ビジネスシーンではそのシャープさが好印象につながる可能性があります。ビジネスシーンでのジュエリーやファッションは、自分には「その仕事にふさわしいセンスがある」ことを表現する手段ではないでしょうか。(このことは、別コラム「ビジネスでのファッションは仕事のセンス」で詳しく述べています)。感覚の鋭さや無駄のなさというイメージにつながりやすいV字リングは、ビジネスシーンにふさわしい要素を持っていると言えます。しかも、V字リングには、指を細く・長く見せるといううれしい効果もあります。
私も、ビジネスシーンではV字リングを意識して身に着けてきました。しかし、V字リングには2つの気になることがありました。1つは、V字部分が若干浮き上がる気がしたこと、もう1つは、まっすぐなリングと同じサイズでもV字リングの方が回りやすい気がしたことです。ジュエリー製作を始めて、その理由が分かりました。
第1のV字部分が若干浮き上がる理由は、その形にあります。一般的なV字リングは、下のようになっています。ポイントはリングの後ろ部分です。
リングの前部分はV字ですが、後ろ部分はまっすぐなものが一般的です。リングサイズはこのようなポジションで測ります。指にリングをはめた時も、このようなポジションになるとイメージされる方が多いと思います。しかし、このポジションだと指にかかる力が拮抗せず、不安定になります。
(リングを横から見た図)
人間の指は柔らかいので、つけているうちに、リングの前部分が動いて下のようなポジションで安定するようになります。
この状態では、リングと指が接する部分がリングサイズより大きくなり、指を握ってリングの後ろ部分が固定されると、リングの前部分が浮く感じになります。これを回避するために、リングの後ろ部分も同じようにV字にしているオーダー品もたまに見かけます。
(前後が同じ形のため、後ろのラインが見えません)
これですと指にかかる力が拮抗し、リングの前部分が浮くことはありません。
しかしこの形にすると、大きなV字の場合は、後ろのV字が手の平にかかるケースも出てきます。そうなると、手を握ったときに後ろのV字が手の平に当たるので、リング全体が指先側に上がったポジションで安定します。そのため、指が長く見える効果は少し薄れます。
また、まっすぐなタイプ(一本腕)のリングと重ねづけする場合は、V字リングの後ろ部分がまっすぐになっている方が2つの位置関係が安定します。さらには、V字リングの後ろ部分をまっすぐにした場合の前部分の浮きは、V字の切込みが深くなるほど大きく、ゆるいV字ではそれほど気にならないものです。量産品のV字リングにはそれほどV字が深くないものが多いですし、ブライダルリングの場合は重ねづけも想定していますから、 後ろ部分がまっすぐになっているケースが多いのではないでしょうか。
第2の、同じサイズならV字リングの方が回りやすい理由も、上記で説明できます。V字が浮き上がった状態の図を見ていただければ、リングと円柱の間に隙間ができているのが確認できると思います。この状態では、リングサイズより大きい状態になっているのです。V字リングを選ぶ際は、そのことに注意してサイズ選択をされたほうがよいと思います。
つまり、V字リングの後ろ部分の形は、デザイン、装着性、使い方を考えて、ご自分にあったバランスをとる必要があります。ビジネスシーンに限れば、仕事のじゃまにならないためにも装着性が一番重要ではないでしょうか。そのためには、V字リングの回りやすい特性を考えたサイズ選びが重要です。もし後ろ部分もV字になっていた場合、手を握ったとき気にならないかもチェックするとよいでしょう。 ただし、深すぎるV字はシャープ過ぎて攻撃的に受け取られかねないため、ビジネスシーンにはなじまないと思います。
V字リングを選ぶ際には、
- V字の浮き上がりにも注意して試着してみる
- 通常より小さいサイズも試着してみる
- 最終的には、重ねづけや着け心地なと他の要素とのバランスで判断する
ビジネスシーンで使用するV字リングの場合は、
- いつもより少し小さめのサイズ
- 深すぎない適度なV字
- 後ろ部分は、手を握って気にならない程度のV字か、まっすぐ
をお勧めいたします。
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